FX投資で資産を増やしたいと考えている方なら、「損切りのタイミングが分からなくて、いつも大きな損失を出してしまう…」
「老後や家族のために投資を始めたけど、資金が減っていくばかりで不安…」このような悩みを抱えているのではないでしょうか。
損切りは投資資金を守るための重要な判断です。
しかし多くの投資家は、「今回は違う」「ここから反転するはず」という思い込みから、小さな損失を大きな損失に変えてしまいます。
この記事では、FXで安定した収益を目指す方に向けて、
- 損切りを躊躇してしまう心理的な原因
- プロトレーダーが実践する資金管理の方法
- MT4を使った具体的な損切り手法
上記について、筆者の13年間のFX取引経験を基に解説しています。
投資の成功は、適切な損切りルールの設定と実行にかかっています。
大切な資金を守りながら、着実に利益を積み上げていく具体的な方法を、ぜひ参考にしてください。
FX損切りのルールを知って資金を守る方法
資金を守る損切り術
適切な損切りは、投資資金を守るための最も重要な判断基準の一つです。
資金管理の基本は、損失を限定的に抑えながら、着実に収益を積み上げていくことにあります。
その中で損切りは、大きな損失を未然に防ぎ、次の投資機会に向けて資金を温存するための重要な手段となるでしょう。
それでは、具体的な損切りのルールと実践方法について、順を追って解説していきます。
損切りを躊躇する3つの心理的バイアスとは
FX投資において、損切りの判断を鈍らせる心理的バイアスが3つ存在します。
これらのバイアスを理解し、克服することが、資金管理の第一歩となります。
「今回は違う、ここから反転するはず」「もう少し様子を見てから決めよう」このような思考が、小さな損失を巨額の損失に変えてしまう危険性があります。
具体的な心理的バイアスは以下の3つです。
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確証バイアス
自分の投資判断を支持する情報ばかりを重視し、反対の情報を軽視してしまう傾向です。例えば、為替レートが下落トレンドにあるにも関わらず、わずかな上昇の動きを捉えて「やはり上がると思っていた通りだ」と判断してしまいます。
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サンクコスト効果
既に投資した時間や労力が惜しくて、損切りできない状態に陥ることです。「ここまで待ったのだから」という思いが、冷静な判断を妨げてしまいます。
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損失回避バイアス
損失を確定させることへの心理的な抵抗が強く、含み損を抱えたままポジションを持ち続けてしまう傾向です。「含み損のうちはまだ損失が確定していない」という誤った認識が、適切な損切り判断を遅らせる要因となっています。
これらのバイアスから解放されるためには、明確な損切りルールを事前に設定し、機械的に実行することが重要になってきます。
資金管理の基本となる損切りラインの決め方
資金管理の要となる損切りラインは、投資資金に応じて適切に設定する必要があります。
FX取引では、レバレッジを活用することで少額の証拠金で大きな取引が可能です。
しかし、この特徴は大きな利益機会を提供する一方で、リスクも同様に拡大させる要因となります。
損切りラインの具体的な設定方法は以下の通りです。
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投資資金の2%ルール
1回の取引での最大損失を投資資金の2%以内に設定します。例えば、投資資金が100万円の場合、1回の取引での損失上限を2万円に設定し、それを超えないようにポジションサイズを調整します。
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値幅による設定
通貨ペアの値動きの特性を考慮し、適切な値幅を設定します。例えば、ドル円の場合、日中の値動きが30-50銭程度であれば、その半分の25銭を損切りラインの目安とすることができます。
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テクニカル指標の活用
移動平均線やサポート・レジスタンスラインなど、テクニカル指標を参考に損切りラインを設定します。ただし、これらの指標は補助的な判断材料とし、投資資金の2%ルールを優先することが重要です。
投資資金を2%以内に抑える指値注文のポイント
投資資金を確実に守るために、指値注文を活用した損切り手法を解説します。
指値注文は、事前に決めた価格で自動的に注文が執行される便利な機能です。
この機能を活用することで、感情に左右されることなく、冷静な損切りが可能になります。
損切りのための指値注文を出す際の具体的なポイントは以下の通りです。
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即座の注文入力
新規ポジションを持った直後に、必ず損切り注文を入れます。これにより、相場が急変した場合でも、設定した損失額以上の被害を防ぐことができます。
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スリッページへの対応
市場の急激な変動時には、指値注文が設定した価格で約定しない可能性があります。そのため、想定損失額の80%程度で損切り注文を入れ、残りの20%をバッファーとして確保しておくことをお勧めします。
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複数ポジションの管理
複数のポジションを持つ場合、全体の損失額が投資資金の2%を超えないように、各ポジションの損切りラインを調整します。例えば、2つのポジションを持つ場合は、それぞれ1%ずつの損失に収まるように設定します。
損切りや利益確定といった決済注文には、MT4自動一括決済コントローラーが便利です。
このコントローラーは、pip幅や時間指定による自動決済から同値撤退、複数ポジションの一括決済、トレール決済など、あらゆる決済を自動化できるため、複雑な状況への対応が求められるトレードにおいて、強い味方となってくれるはずです。
市場の急激な変動に備えた実践的な損切り対策
相場急変への備え
為替市場では、予期せぬニュースや経済指標の発表により、数分で大きな価格変動が発生することがあります。
このような急激な相場変動に対して、事前の準備と冷静な判断が資金を守る鍵となるでしょう。
それでは、具体的な対策方法について詳しく解説していきます。
為替市場の変動リスクへの対処方法
為替市場における急激な価格変動は、特に夜間や早朝の取引時間帯に発生しやすい特徴があります。
「急な値動きで損切りが間に合わない」「指値注文が約定しない」といった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
変動リスクへの具体的な対処方法は以下の通りです。
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ボラティリティの高い時間帯を把握
米国や欧州の市場が開く時間帯は値動きが大きくなりやすいため、この時間帯での新規取引は控えめにすることをお勧めします。特に、欧州市場の開始時間である16時から18時までは要注意です。
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スプレッド拡大への備え
急激な相場変動時にはスプレッド(売値と買値の差)が通常の3倍以上に拡大することがあります。損切り注文を入れる際は、スプレッド拡大を考慮した余裕のある価格設定が必要です。
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複数通貨ペアの監視
主要通貨ペア間には相関関係があるため、取引している通貨ペア以外の値動きも監視することで、急激な変動の予兆を捉えることができます。
重要な経済指標発表時の損切り設定の考え方
重要な経済指標の発表時には、市場が大きく変動する可能性が高くなります。
経済指標発表の直前に「今回は大丈夫だろう」と楽観的に考えてしまうことがありますが、これが大きな損失につながるリスクとなります。
発表時の対策として、以下のポイントを押さえることが重要です。
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発表10分前のポジション確認
重要指標の発表10分前には、必ずポジションの状況を確認します。含み損を抱えている場合は、発表前に決済することで不測の事態を回避できます。
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損切り幅の拡大設定
通常の2倍程度まで損切り幅を広げることで、急激な価格変動による不用意な損切りを防ぎます。ただし、その分取引数量を半分に抑えることで、リスク量は一定に保ちます。
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新規取引の抑制
重要指標の発表前30分から発表後15分までは、新規取引を控えめにします。価格が落ち着いてから、冷静に判断することが賢明です。
強い相場トレンド発生時の注意ポイント
強いトレンドが発生した際は、価格が一方向に大きく動く傾向があります。
「トレンドに逆らって取引してしまい、大きな損失を出してしまった」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
強いトレンド発生時の対応策は以下の通りです。
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トレンド方向の見極め
移動平均線や値幅の大きさを確認し、トレンドの強さを判断します。特に、長期移動平均線と短期移動平均線の乖離幅が大きい場合は、トレンドが継続する可能性が高いと考えられます。
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損切り幅の調整
強いトレンド発生時は価格の戻りも大きくなるため、通常より広めの損切り幅を設定します。ただし、取引数量を減らすことで、リスク量の調整を忘れないようにしましょう。
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逆張り取引の回避
強いトレンドに対して安易な逆張り取引は避けます。仮に逆張りを行う場合は、取引数量を通常の半分以下に抑え、損切り幅を広めに設定することが重要です。
プロトレーダーが教える失敗しない損切りの実践テクニック
プロの損切り術
長年の取引経験を持つプロトレーダーは、確実な損切りの実行によって投資資金を守り続けています。
この技術は、感情に流されず、決められたルールに従って冷静に判断する習慣から生まれたものでしょう。
それでは、プロトレーダーが実践している具体的な損切りテクニックについて、詳しく解説していきます。
損切りタイミングを事前に決めておく重要性
損切りのタイミングは、取引を始める前に必ず決めておく必要があります。
「相場が好転するはずだから」と損切りを先送りにしてしまうことは、資金を大きく毀損するリスクにつながります。
損切りタイミングの設定方法は以下の通りです。
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テクニカル分析による設定
移動平均線やサポートライン、ピボットポイントなど、価格の節目となる水準を損切りラインとして設定します。ただし、これらの指標は補助的な判断材料とし、投資資金の2%ルールを優先することが重要です。
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値幅による設定
過去の価格変動を参考に、通常の値幅の1.5倍程度を損切りラインとして設定します。例えば、1日の値動きが30銭程度の通貨ペアであれば、45銭程度を目安とします。
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時間による設定
保有時間の上限を設定し、その時間を超えても利益が出ていない場合は損切りを実行します。例えば、デイトレードであれば当日中、スイングトレードであれば1週間といった具合です。
損失を最小限に抑えるポジション管理の方法
効果的なポジション管理は、損失を最小限に抑えながら、利益を最大化するための重要な要素です。
「損切りのタイミングは分かっているけど、どのくらいの取引量にすべきか」という悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
ポジション管理の具体的な方法は以下の通りです。
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資金に応じた取引量の調整
1回の取引での最大損失を投資資金の2%以内に抑えるため、取引量を適切に調整します。例えば、投資資金が100万円の場合、1回の最大損失を2万円以内に設定し、それに応じて取引量を決定します。
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分割エントリーの活用
全額を一度に投資せず、資金を3分割して段階的にポジションを持ちます。これにより、相場の方向性が不明確な場合でもリスクを分散できます。
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利益確定の段階化
利益が出た場合も、全額を一度に決済せず、半分ずつ決済するなど段階的に利益確定します。これにより、相場の上昇余地を残しながらリスクを軽減できます。
MT4を使った自動損切り設定のおすすめ機能
取引ツールMT4には、損切りを自動的に執行できる便利な機能が搭載されています。
「感情に流されて損切りができない」という方に、MT4の自動損切り機能は特に有効でしょう。
MT4でおすすめの損切り設定は以下の通りです。
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ストップロス注文の活用
新規注文と同時に損切り注文を出せる機能です。例えば、ドル円を100円で買い、99円50銭で損切りという注文を同時に出すことができます。これにより、感情に左右されることなく、決められた価格で確実に損切りできます。
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トレーリングストップの設定
利益が出た場合に、損切りラインを自動的に追従させる機能です。例えば、20銭の値幅で設定すると、相場が上昇するたびに損切りラインも20銭ずつ上昇します。これにより、利益を確保しながら、さらなる値上がりも期待できます。
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損失額の自動計算機能
取引量と損切り価格から想定損失額を自動計算する機能です。これにより、投資資金の2%ルールを守りやすくなります。例えば、最大損失額を2万円に設定し、それに合わせて取引量を自動調整できます。
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まとめ:堅実な損切りで、大切な投資資金を確実に守ろう
今回は、投資で資産を増やしたいと考えている方に向けて、
- 心理的バイアスを克服する具体的な方法
- 資金を守るための実践的な損切りルール
- プロトレーダーが実践している具体的なテクニック
上記について、13年間のFX取引経験を持つ筆者の実践例を交えながらお話してきました。
投資での損失を最小限に抑えるためには、感情に流されない冷静な判断が必要不可欠です。
適切な損切りルールを設定し、それを確実に実行することで、大切な投資資金を守ることができるはずです。
堅実な投資手法を学び、実践しようとする姿勢は、長期的な資産形成において非常に重要な一歩といえるでしょう。
資産運用に不安を感じる方も多いかもしれませんが、正しい知識と適切なリスク管理があれば、着実に目標に近づくことができます。
この記事で学んだ損切りの考え方を実践に活かし、ぜひ堅実な資産形成を実現してください。
必ず結果はついてくるはずです。